新しいプリキュア始まったじゃないですか。
見てないし詳しくないんですけど「女の子がお菓子作りっていうのはジェンガだかなんだかがどうたらで文句を言う人もいるけど〜」みたいな発言を目にしまして、ちょっと待ってよ〜〜って、小うるさいフェミニストの私が文句を言うわけです。
そもそも、ジェンダーという言葉を知っているか
wikipediaみてもまあわかんないと思うんですけど、「ジェンダー」とは「社会的な性」のことです。
わかりやすく言うと、「セックス」は体の性のこと、服を着る前の状態でどういう性別か。
対して「ジェンダー」は服を着た後の性別って感じです。服そのものの性別といってもいい。現代の社会なら、スカートは女、ネクタイは男、みたいな感じです。
だから、ジェンダーに良い・悪いはありません。
スカートを履くこと、ネクタイを締めることそのものに良いも悪いもありませんよね? みんなやってます。
何を問題としたいのか
ずばり、「ジェンダー」という言葉そのものを煙たく思われることです。
さっきも言ったとおり、「ジェンダー」は今ある現象についた名前にすぎません。良いも悪いもありません。
でも、ここまでで私が「ジェンダー」って連呼するだけでもう「読むのやめよっかな……」って思ってる人がかなりいるはずです。
「フェミニズム」もそうです。言葉が言葉そのものの意味を超えて「その言葉を発する人たちの煙たさ・うるささ・めんどくささ」と結びついてしまい、言葉そのものを忌避するのが普通になってしまう。結果、「フェミニスト」という言葉についた間違った解釈(女性に優しくする男性)すら綺麗に消えたとは言えません。
そうやって言葉そのものを避けて通ることで、苦しんでいる人が救われなくなるというのが問題です。
自分のジェンダーについて苦しむ人のこと
前述したとおり、「ジェンダー」は服のようなものです。服装とも深く関わっています。
自分が着たい服を着ることができず、自分の体にはふさわしくないと思われる服を着ることを強制されるのは嫌ですよね?
社会に要求される性別のせいで苦しんでいる人はたくさんいます。
プリキュアの話に戻れば、プリキュアが大好きなのに「それは女の子の見るものだから」と見ることを禁じられた男の子は悲しいでしょう。この時、この子が自分を女の子だと思っていてプリキュアが好きなのかどうか(それはセクシュアリティの問題で、別の話です)は関係なく、男の子でもプリキュアが大好きでいいじゃない、と考えるのが、ジェンダーフリーです。
バリアフリーがすべての段差をなくすことではなく必要に応じてスロープやエレベーターで対応することであるのと同じように、ジェンダーフリーも「男女差を排除すること」ではありません。
率直に言えば、「女の子がお菓子作りをする表現を攻撃する」のはジェンダーフリーの考え方ではありません。
だから冒頭の私の聞きかじりはまるで見当はずれってことです。
もしそこに問題を見出すとするなら、「女の子がお菓子作りをする表現」しかないのは問題でしょう。女の子も重機を操作したいし、男の子もお菓子作りをしたい。そういう考え方を認めてほしい、というのがジェンダーフリーの主張です。
私たちは仮想敵じゃない
私はあえて自分を「小うるさいフェミニスト」であると名乗ります。少し時代がかった「フェミニスト」という言葉を使うのは、「言葉を忌避することは問題から逃げること」だと思っているからです。
私の聞きかじったツイートの発言者さんは、「ジェンダー」という言葉を避けました。「その言葉を使うのは面倒なヒステリー女だけ」みたいな(ちょっと私の被害妄想入ってますが)レッテルを貼りたいのでしょう。(完全に被害妄想だった……)
あえて「私たち」と言います。
あなたたちにレッテルを貼られ、避けて通られるところの「面倒なヒステリー女」である私たちは、本当に筋の通らないことをわめいているだけでしょうか?
社会の抱える問題というのは、絶対に面倒なものです。面倒だから問題として残されているのです。
少なくとも私は、その問題から目をそらしたくないから、「小うるさいフェミニスト」を名乗り、こういう文章も書きます。
問題を指摘する人を「面倒なヒステリー女」ということにして社会の主流からはじき出してしまえれば、問題について考える必要はなくなります。自分に疑問を持ったことのない人にとってはさぞらくちんな方法でしょう。
でも、いつ「自分の性」や「ジェンダー」そのものが揺らぐかは、誰にもわかりません。昨日まで持ったことのなかった疑問に急にとらわれてしまうことだってありえます。今多数派であるあなたが明日も多数派かどうかは、なんの保証もないのです。
自分や身近な人が、ずっと、少しでも生きやすくなるように、もう仮想敵を作るのはやめにしませんか?
具体的に言うと、「こういうこと言うとフェミおばさんがうるさいからな〜wwww」みたいなネタは今すぐやめろ。不愉快だ。
以上、小うるさいフェミニストからでした。