着物本を出して半年後の話

2017年2月28日

去年の7月に第一回文学フリマ札幌で3冊の着物本を出したその後の話です。

去年の時点ではまだアンティークに目覚めてなかった

ぽっぽ亭でダウンロード販売してる3冊の着物本ですが、この中で取り扱ってるのは基本的に「ネットで買える」「新品」の「ポリエステル」着物です。

いまでも初心者がとっつきやすいのは絶対それだなとは思っているんですが、目覚めてしまったんですね、この半年で。アンティーク着物に。

アンティーク着物、初心者にはおすすめしない

先にアンティークのとっつきづらい点について書いてしまいましょう。

  • サイズ合わせが難しい
  • ネットで買うのは博打
  • 着てて気を使う

まずサイズ合わせが難しいのは最大の難点だと思います。基本的に、新品じゃなくても現代もののリサイクル着物は買って着られないってことは少ないです(体格にもよりますが)。わたしは太っているので幅には気を使いましたが、それでも羽織ってみて足りない!ってなることはほとんどなかった。しかし、アンティークはマジで小さい。身長150cmのわたしですら丈が短くておはしょりが出ないこともあり、身幅が足りなくて諦めた着物は数知れず。あと現代ものに比べて襟が開きやすいです。

ゆえに、ネットで買うのは博打です。特に最初にアンティーク着物着たいぞ!ってなったらお店で羽織ってから買ったほうがいいでしょう。着られるサイズの着物を採寸すれば自分に合うサイズがわかります。さらに博打要素として汚れ・傷みがあります。たいがいアンティーク着物を扱ってるネットショップは丁寧に写真で汚れや傷みを見せてくれますが、それでも写真じゃわからないことのほうが多いです。どの程度の汚れや傷みなら許容範囲なのか、は実際に見てみないと判断つきません。わたしはどうせ着てれば汚すし破くしってけっこう傷んでても買っちゃいますが、傷んでるのが嫌な人はそもそも向いてないです。

汚れ・傷みとも関係しますが、現代ものに比べてやっぱり着てて気を使います。古いもの(戦前のものをアンティーク着物と言うことが多いので、確実に7、80年は経ってます)なので生地も弱っていますし、そうなると破れたりするのも怖いだけでなく汚したらうかつに洗濯もできません(シミ抜きも弱った生地だと破れます)。アンティーク着物にブーツを合わせてしこたま歩いたら靴に当たる裏地の裾がボロボロになったこともあります。また、憧れの袖丈の長い着物は座ったときに袂が隣の人の尻に敷かれないよう膝に重ねておくとか、所作にもひと工夫必要だったりします。

しかし、アンティークはかわいい。めまいがするほど。

買うのも着るのもめちゃくちゃ面倒、別に安くもない。それでも着たいのはやっぱりかわいいからなんですよね……。

とりあえずアンティーク着物の扱いが多いネットショップを挙げておきます。

ICHIROYA

ザ・アンティーク!っていう、袖丈70cm!銘仙!お召!モダン柄!でガツガツ攻めてきます。とりあえずここの戦前カテゴリ見ておけば間違いない。現代ものとはサイズだけでなく柄ゆきがまったく違うのがおわかりいただけると思います。

Shinei

ICHIROYAに比べると現代っぽい地味なものが多い印象ですが、丹念に探すとかわいいのが安く出ています。

札幌にお住まいの方向けに実店舗もご紹介しておきます。

彩古堂

わたしはここの店主のお姉さんに着物根性を叩き直され、アンティーク沼に落とされました。ブログでコーディネートの紹介もしてらっしゃるので、覗くといいでしょう。

アンティークは楽しい沼だよ!

沼ゆえに初心者にはオススメできません……。が、和裁沼やカメラ沼(彩古堂のお姉さんはカメラマンです)にも続く楽しい沼です。下手に作家ものとかお仕立てにハマるよりは安い、はず!

着物が楽しくなったら、ステップアップとしていかがでしょう。そんな感じの着物本も書きたい。