2018年、人間の形を取り戻すうちにできるようになったことをひとつずつ書いていく連載その2です。
自分を基準に考える
砂上の楼閣に住む、顔を洗わないお姫様の話 – はとのいろいろ
これ覚えてるひといるでしょうか。覚えてなくても読み返さなくていいです。
要するに「顔を洗うだけのことも習慣がないからできない、どこを目指せばいいのかわからん」みたいな話を2018年の3月にしたのです。
3月かあ……転院の話すらなくて、記憶の中ではわりと安定していたような気もするのですが、就活を開始即挫折したりしてそれなりに鬱屈していたのでしょう。就活はダメだ。あれは無礼な人間の巣窟に飛び込む行為だ。丸腰でやるもんじゃない。
そのあとのドン底がすごくて3月のことなんか全然覚えていませんが、ドン底にあってやはりわたしは顔を洗うことも風呂に入ることも歯を磨くことも全然できませんでした。あたりまえだ。ドン底なんだから。
特に理由があるわけではないのですが、「洗う」とか「清潔にする」たぐいの行動はとにかく腰が重く、2〜3時間ついったーでうめいたあげくに「もう寝るわ」みたいな毎日でした。諦めがつくのも遅くて、夜中の2時までうめくだけで何もしないことも多かった。
私が「OK、いま私とりあえず息してる、合格」って思うレベルと「世間一般に最低限これだけはやるべきと思われる」レベルがめちゃめちゃ離れてるっぽいんですよ。というか、後者がどのへんにあるのかわからない27歳。
27歳ね、「世間一般にはこのくらいはやってるんでしょう?」って思う生活水準はなんとなく見えてるんですよ。でもそれめっちゃ遠いの。霞んで見えるくらい遠くてよくわかんない。で、頑張ってそこを目指そうとするとぶっ倒れるし、「理想が高すぎるんじゃない?」とかも言われる。マジで?だってみんな毎朝顔洗って毎日風呂入ってるんでしょ?そこにも27年たどり着けてないんですけど……
27歳になったばかりの私はこう言っていますが、もうすぐ28歳の私も「世間一般に最低限これだけはやるべきと思われる」レベルがわかったわけでも、そこに自分を合わせていけているわけでもありません。
「OK、いま私とりあえず息してる、合格」のレベルが長く異常に低かったのは、何もできない自分に「とりあえず生きていていいよ」と言い聞かせるための戦略でした。
たぶん適切と思われる投薬(いつもモヤッとした書き方をしますが、精神科治療に絶対の正解はないような気がするので)を受けて、自分を人間扱いすることを覚えて「OK、いま私とりあえず息してる、合格」のレベルがじわっと上がってきています。
おそらく「世間一般に最低限これだけはやるべきと思われる」レベルに追いつくことは一生できないと思います。でも、きっと追い求めるべきはそこではなくて「自分をどう扱ったら人間らしいと思えるか」きちんと見極めることなのでしょう。
自分を基準に考えることで、足場が定まる感じがします。
「世間が」「家族が」「他人が」と外界を基準にしているうちはいつまでもふらふらしたままでよりどころがなく、振り回されるだけです。自分の基準を作るために外界を広く参考にすることは必要ですが、最後は自分に聞いてみるしかないと今は考えています。
習慣は作ればいい
ここまでの文章を3月時点の私に読ませても全然響かないだろうなって気がします。
じゃあ具体的に何ができるの? 何をしたの? というところなんですが、とにかくやってみたとしか言えないですね。
おおいに薬のおかげさまですが、とにかくやってみるだけの気力が得られたらやりたかったことを片っ端からやってみるのです。バレットジャーナルはかなり有効でした。
「ぐぐれよ」だけではあんまりかなと思ったので、わかりやすい記事を紹介しておきます。
まず私は記憶力がたったの3でゴミなので「やりたいこと」も全部記憶から抜け落ちていきます。バレットジャーナルに書き込むのは基本的にタスクで「やりたいこと」ではなく「やること」なのですが、あっ無理! と思ったら消してもいいので気軽に思いついたことを書き留めていけるのがらくちんでした。
またバレットジャーナルの特徴として「タスクを移行する」手順があります。やり残したタスクはもう一回書き直し、常に最新のページにこれからやるタスクを全部揃えておくようにします。すると、やり残したタスクを何回も何回も書き直すことで「これやっぱ無理では」とか「もうちょっと先に延ばそう」とか見直すきっかけができるのです。
あと先月から始めた習慣トラッカー(habit tracker)は「毎日やること」の記録に便利です。
一回もやってないこととか、ぽつぽつとしかできてないことも普通にあるのですが、とりあえず朝晩の薬を飲み忘れてないかチェックしています。あと朝にトイレ掃除するようにしてるので、それも何日か空いたら「やべっ」と思って慌ててしたりとか。全部埋めなきゃ! と思うと切れたときにどうでもよくなりがちなので、あくまで記録として使っています。
何日か手帳を開くのを忘れると、前述の通りゴミの記憶力では2日前のことはほとんど覚えていないし、3日前のことは全く思い出せないので、毎日手帳を開く習慣をつけるのも大事だなとは思っています(できていない)。
顔を洗う、風呂に入る。人並みではなくても。
今はなるべく1日1回は顔を洗い、週に2〜3回は風呂に入るようにしています。
冬場で肌がピリピリするので、毎日洗顔して化粧水と乳液で顔をなでなですると落ち着くような気がして頑張っています。でもハウスダストアレルギーで内側からプツプツ荒れてくるのは掃除しないとどうにもならん。引き続き環境を整えていこうと思います。
風呂も本当は毎日入りたい(入りたいと思うようになった進歩)。髪の毛1日洗わないだけでだいぶペタッとするんだなって気づきました。
習慣がないと「清潔を維持している自分の状態」を知らないので、荒れ放題でボロボロな状態を「普通」だと思ってしまうんですよね。
ちょっと頑張って「いい生活」を知ってみる。お金を使うだけでなく、自分の労力を使って。
QOLの向上という言葉の意味がなんだかいつになく沁みてきています。