占星術の基礎知識:10天体の性格

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ここでは、ベタですが「そもそも占星術ってなんなの?」「用語だけなんとなく聞いたことあるけど、その意味は?」というごく一般のかたにむけて基礎知識をなるべく噛み砕いて解説することとします。

今回は「10天体の性格」についてお話します。ほかの基礎知識も読んでみてね。

おさらい:10天体とは

10天体とは、占星術で使うホロスコープ上に位置を写し取られる、空に輝く10の天体です。

太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星をさします。

空に輝くといっても、天王星より先は肉眼では見えません。古代の占星術では土星までを使っていました。

また、月は地球の衛星で、冥王星は惑星ではなくなりましたが、ほかの太陽と惑星と同じように扱います。

太陽は黄道上を1年で一周します(その黄道を12に区分し、それぞれ星座の名をつけたのが「黄道十二宮」です)が、そのほかの天体はそれぞれ独自の速さで動き、ときには逆行することもあります。

いわゆる「土地」である12星座(黄道十二宮)にもそれぞれの属性があることはすでにお話しましたが、そこを旅する10天体にもそれぞれ性格というか、担当分野があります。

太陽は、基本的なエネルギー、公的な顔や身分の担当

太陽はもっとも明るく、「昼間」をつくりだします。

いわゆる「12星座占い」において「生まれの太陽星座」を使うのは、それがその人の「もっとも基本的な部分」をあらわしている、と考えられるからです。

また、基本でありながら、それは「表向きの、公的な」身分や職業なども表します。

とはいえ人間のすべては昼間にあるわけでもありません。「12星座占い」がピンとこない人は、そのほかの天体がどこか別に偏っていたり、強烈な配置になっていたりすることがあります。

月は、個人的な感情や内心、受容のありかたの担当

月は地球に近いので大きく輝きますが、よく見えるのは主に夜です。

また、日によって満ち欠けし、見た目を変幻自在に変えます。

そのため、太陽が「表向き、公的、活動」を表すのに対し、月は「内心、私的、受容」を表します。

また、太陽が父であれば、月は母というように、太陽とは対になる存在です。

水星は、伝達や知性、受け渡しや旅の担当

水星は太陽にもっとも近く、地球より内側の軌道を回っているため、太陽とともに動き続けているように見えます。

そのため、「動き」や「動き回る必要のあること」、たとえば「伝達、コミュニケーション」や「商売、言語、旅」は水星の担当です。

太陽と月は「自分の基本的な部分」を表していましたが、水星は「他者」です。他者とつながる、やりとりをする、というようなことを表します。

また、水星は数ヶ月に一度ほど逆行(見かけ上反対向きに動くこと)しますが、その間は「文書や伝達にミスが起こりやすいので、契約などは慎重に」といわれたりします。逆行してもいずれは元の向きに戻るので、そのときにリカバリーできる、ミスが発覚して差し戻される、というようなこともあるかもしれません。

金星は、財産や愛、実利や獲得の担当

金星は明けの明星、宵の明星としてひときわ美しく輝きます。

そのため、財産や愛、芸術、利益などの「わかりやすく良いもの」を象徴してきました。

また、古くは「妻」を表すとされていますが、その根本は「獲得するもの」です(トロフィー・ワイフという言葉が、良くはない意味でありますが、そのようなイメージです)。

「ぼんやりと良いっぽいもの、理想」などは、後述する海王星の担当です。金星はどちらかというと、はっきりと形があって、手に取れるような良いものを表します。

また、金星は古く妻を表したように、女性性の象徴でもあります。男性にとって女性というと妻でしかないのか、というとちょっと古いなと思われますので、いまは「いわゆる女性的なイメージ、優しく、美しく、やわらかいもの」のような表現がいいでしょうか。

火星は、積極性や戦い、身体の元気の担当

火星は赤く、近づいたり離れたりして輝きを変えます。

そのため、昔から不吉な星だとされ、戦争やケガ、トラブルなどを表すといわれてきました。

しかし、現在ではその本質は「積極性」だとされています。積極的に出れば他人とぶつかることもあり、その結果ケガをすることもある。

また、火星は金星の女性性に対して男性性を表します。古い占星学書では「女性にとっての伴侶や、恋人となる異性」と書かれることもありますが、現代の価値観からいえば「いわゆる男性的とされているいろいろなもののイメージ」をふんわりと当てはめるのが適当かもしれません。

木星は、保護や拡大、恵みや助けの担当

木星はとても大きな星です。たくさんの衛星をしたがえ、王者と呼ぶにふさわしいでしょう。

また、ほぼ12年で黄道を一周することから、中国では「歳星」と呼ばれ、幸運の星とされてきました。

とくに示し合わせたわけでもないのですが、古代の人はこの大きな星から強いイメージを受け取ったらしく、西洋占星術でも木星は吉星とされています。

太陽は父、とさきにのべましたが、木星も父性的なイメージであり、ただし、少し距離があります。

遠くから見守ってくれていて、必要なときに惜しみなく助けてくれる。今だと小さな孫のいる祖父母のような感じかもしれません。

また、拡大・発展・成長なども木星の担当です。すくすくと育つ、というような、不自由のない発展です。

土星は、制限や試練、努力や忍耐の担当

土星はかつての占星術ではもっとも遠い星でした(いまも肉眼で見えるもっとも遠い惑星です)。

ですから、果ての先にある不安や、外敵などは土星の担当で、凶星とされてきました。

しかし、今はもっと外側に天体があることがわかっています。ですから、いろいろな役目を土星はその輪っかから降ろしてしまいました。

とはいえやはり凶星です。制限や試練、それを乗り越えるための努力や忍耐。厳しい師匠や先輩のような、「乗り越えることで自分を成長させる痛み」の担当である、といまは考えられています。

意味の上では木星と対になります。木星がよい、土星がわるいと単純にいうことはできず、木星によって甘やかされた小さな人間になることもありますし、土星の試練を乗り越えて大成する人もいます。

天王星は、変化や革新、離脱や挑戦の担当

天王星の発見は、それまでの占星術(天文学も、もちろんそうです)の世界を塗り替える革命でした。

そのため、天王星は「革新、別離、新しいこと」を表します。電気機械などのハードウェアも天王星の担当です。

土星が受け持っていたものを一部引き受ける形で天王星の意味が定められたので、新しいから単純によい、とはいえません。新しくなるために別離があり、痛みがある、と考えます。

天王星より向こうの天体は動きが遅いため、同じような年頃の人はだいたい同じ場所にその天体を持っています。ですから、これらの天体は個人の性格というよりは、時代の雰囲気を表すとされています。

ただし、他の星と特別な角度をとると、その星に天王星が「変化」の意味を与えます。この角度(アスペクト)についてはまた別の記事でお話しようと思います。

海王星は、目に見えないもの、夢や幻想の担当

海王星は、天王星に続いて発見されました。そのため、革命的な新発見というわけではありません。

天王星よりも地球から遠く、肉眼では見えませんが、やはり「そこにある」からには「何かの意味がある」と占星術では考えます。海王星が引き受けたのは、「隠れていて見えないが、大きな力を持つもの」です。

それはたとえば「石油」です。石油は地下深くに隠れていますが、掘り出すと燃料になり、加工すればさまざまな製品になります。そういった発見がされたのが、海王星が発見されてからの世界です。

また、海王星はその名の通り「海の中の未知の力」のようなものも表します。日本人は海のものはなんでも食えると思っていますが、深海はいまだに宇宙よりも謎深く、西欧の人にとっては得体の知れない恐るべきものです。

夢や理想、幻想、形のないものは海王星の担当です。ハードウェアが天王星なら、海王星はソフトウェアです。楽器が天王星、音楽が海王星、といわれもします。

冥王星は、わかりえないこと、どうしようもないものの担当

冥王星はいま知られている最も外側にある惑星「でした」。しかし、冥王星が準惑星となってからも、占星術では惑星とおなじ扱いをしています。もしかしたら今後冥王星の担当する意味があまり重視されないような世の中に変化していくのかもしれませんし、ほかの準惑星の担当する意味がより鮮やかに必要となっていくのかもしれません。そういった「未知」や「わかりえないこと」「個人の意志ではどうしようもできないこと」が、冥王星の担当です。

冥王星が黄道を一周するのにはとても長い時間がかかり、人の一生のうちにその一周を見届けることはできません。「冥王星が空のどこにあるか」は誰にも選べませんし、その世代の人はみんなそこに冥王星をもっています。

また、今は冥王星が占星術的な空の果てですから、あらゆる「極限」を表します。原子力などの、いまだ人類の手には余るようなこともまた、冥王星の担当です。


今回は占星術で使う10天体について、その担当分野をお話しました。

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