「できるようになったこと」の連載1…テーブルを買った話

2019年1月2日
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あけましておめでとうございます。

昨年末のブログで「もう少し更新します」みたいなことを言ったので、有言実行。

2018年、人間の形を取り戻すうちにできるようになったことをひとつずつ書いていこうと思います。

テーブルを買った

「できるようになったこと」のなかではかなり年末ギリギリの話ですが(家に届いたのが12月25日)、2017年末に引っ越して1年あまり、ようやくテーブルと椅子を買いました。

テーブルと椅子って人権だったんですね。

テーブルと椅子がない間どうやってごはん食べてたかというと、いわゆるミカン箱というか、段ボール箱を床に伏せたものにおそるおそるごはんを置いて食べていました。それもわりとすぐ埋まるので、しょっちゅうベッドに座ったままめしを抱えて食うという真似もしました。

床に座ると冷え冷えと寒いし、いつ段ボール箱が壊れるか常にひやひやしながら食べるめしがうまいわけがない。いや、それなりに味はわかったんですけど、テーブルと椅子で食べるめしを味わって「今まで食ってたのは人間のエサだ」と気づきました。

あと椅子があると、なんと台所の吊り戸棚の奥が見えるんですよ。手も届きます。年末に「なんか足りないなあ」と思ってた保存容器は吊り戸棚の奥に隠れていたことが発覚しました。

居場所のある家を持つ

札幌は家賃バカ安いですけど、それでも無職の収入のうち4割程度を家賃に使っています。でもその家賃は今まで「寝る場所」の代金でしかなかった。あとはゴミ溜めの場所代。

ノマドといえば聞こえはいいですが、昼間の居場所を作れずに家賃を無駄遣いしていたわけです。さらに喫茶店に行けば飲食代も払います。

床を埋めていたゴミをせっせと処分して、モノの居場所を考えて、空いたスペースは居心地がいいように掃除する。

まだまだ完璧とはいえないですが、ようやく「自分の居場所のある家」が見えてきたかな、と思います。

間に合わせのものを買わない生活

余談になりますが、なんで1年もテーブルと椅子を買わなかったかというと「いっぺんに全部揃える金はないが、間に合わせのものは買うまい」と意地を張っていたからです。

間に合わせのものを安く適当に買うと、微妙に不便な思いをずっと我慢しながら結局本当に欲しいものを買えないで終わる気がしたんですよね。

「しばらく不便な思いをしても、結果的に使い心地がよくずっと快適に使えるものを手に入れたい」とか「本当に必要なものだけ吟味して手に入れたい」とか高尚っぽいことを考えていたのです。

その「しばらく」は1年かかりましたし、うまいこと回復しなければたぶんずっと不便な思いをしながら居場所を作れずにいたと思います。

まあテーブルと椅子を手に入れた今は結果オーライな気がしていますが、間に合わせのものを買っても別に良かったかもしれない。ないよりマシなものは絶対にあったはず。

今でも初めてのひとり暮らしのときとか、親の言うままに水切りカゴとかデカいゴミ箱とか買いそろえて窮屈に暮らすのはやめたほうがいいと思っていますが「なくてもいける」と思ったものが実は基本的人権で、手に入れて初めて「今まで自分を人間扱いできていなかった」と気づくことはけっこうあるな? と思ったので……

「自分を人間扱いする」というのが2019年のテーマになるかもしれません。知らんけど。